長年の悩みの種だった薄毛が、実は病気のサインだったという話を聞いたことはありませんか。私自身も「ただの加齢かな」「ストレスのせいかな」と安易に考えていた時期がありましたが、ある時、抜け毛の異常な増加と体調不良が重なり、病院の門を叩くことになりました。そこで告げられたのは、驚くべき診断でした。 最初は、髪を洗うたびに排水溝に溜まる毛の量が増え、ブラシを通すたびにごっそり抜けることに不安を感じていました。特に、おでこの生え際や頭頂部が以前よりも薄くなっているように見え、鏡を見るたびにため息をついていました。市販の育毛剤を試したり、頭皮マッサージをしたりと、自分なりに努力はしてみましたが、一向に改善の兆しは見えません。それどころか、なんとなく体がだるい日が続き、微熱が続くこともありました。 家族に心配され、ついに意を決して病院を受診しました。皮膚科で頭皮の状態を見てもらった後、念のため血液検査を受けることに。数日後、診察室で医師から告げられたのは、甲状腺機能低下症という診断でした。まさか、抜け毛が甲状腺の病気と関係しているとは思ってもみませんでした。医師の説明によると、甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下し、その影響が髪の成長にも及ぶとのことでした。倦怠感や微熱といった体調不良も、この病気の症状だったのです。 診断を受けてから、甲状腺ホルモンを補う薬を服用する治療が始まりました。最初は半信半疑でしたが、治療を始めて数ヶ月経つと、驚くほど体調が改善しました。倦怠感は消え、微熱も出なくなりました。そして、何よりも嬉しかったのは、抜け毛の量が目に見えて減り始めたことでした。以前のように髪がごっそり抜けることはなくなり、新しい髪が少しずつ生えてきているのが実感できるようになりました。 この経験を通して、私は抜け毛が決して軽視すべきではない身体からのメッセージであることを痛感しました。ただの加齢やストレスだと思っていても、その裏には重大な病気が隠れている可能性があるのです。もし、私のように原因不明の抜け毛に悩んでいたり、抜け毛以外にも体調不良を感じたりしている方がいれば、一度専門医に相談することをお勧めします。早期発見、早期治療が、健やかな髪を取り戻し、健康な生活を送るための第一歩となるでしょう。
薄毛のサインと病気の関連性