過度な飲酒が薄毛のリスクを高める可能性があることは前述の通りですが、具体的にアルコールが髪の毛にどのような悪影響を与えるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。1. 栄養素の吸収阻害と消費:アルコールを分解する過程で、肝臓は多くのビタミン(特にビタミンB群)やミネラル(亜鉛など)を大量に消費します。これらの栄養素は、髪の主成分であるケラチンの生成や、頭皮の健康維持に不可欠です。アルコールの過剰摂取が続くと、これらの栄養素が慢性的に不足し、髪が細くなったり、弱くなったり、抜け毛が増えたりする原因となります。また、アルコールは胃腸の粘膜を荒らし、栄養素の吸収効率を低下させることもあります。2. アセトアルデヒドによる細胞ダメージ:アルコールが体内で分解される際に生成されるアセトアルデヒドは、細胞毒性を持つ有害物質です。これが血流に乗って頭皮に運ばれると、毛母細胞に直接ダメージを与え、正常な細胞分裂や髪の成長を妨げる可能性があります。3. 睡眠の質の低下と成長ホルモンの減少:アルコールは寝つきを良くするように感じるかもしれませんが、実際には睡眠の質を著しく低下させることが知られています。特に、レム睡眠(浅い眠り)の時間を増やし、ノンレム睡眠(深い眠り)の時間を減らしてしまいます。深い眠りの間に多く分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や再生、そして髪の毛の成長に非常に重要です。睡眠の質の低下は、この成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の健康に悪影響を及ぼします。4. 頭皮環境の悪化:アルコールの利尿作用により体内の水分が失われると、頭皮も乾燥しやすくなります。頭皮の乾燥は、フケやかゆみ、バリア機能の低下を招き、炎症などの頭皮トラブルを引き起こしやすくします。また、アルコール摂取による体温上昇で頭皮が蒸れやすくなり、雑菌が繁殖しやすい環境になることもあります。これらの悪影響が複合的に作用することで、髪の毛の健康状態が悪化し、薄毛の進行に繋がる可能性があるのです。
— 円形脱毛症 —
アルコールが髪に与える悪影響、薄毛リスクを高める理由
2019年6月28日