AGA(男性型脱毛症)による抜け毛は、体のどの部位の毛髪でも起こりうるわけではなく、特定の部位から進行しやすいという特徴があります。AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)に対する感受性が高い毛根が、頭部の特定領域に多く存在するためと考えられています。AGAで抜け毛が進行しやすい代表的な部位は、まず「前頭部(生え際)」です。特に、額の左右の剃り込み部分、いわゆる「M字部分」から薄くなり始めるケースが多く見られます。鏡を見たときに、以前よりも生え際が後退している、M字の切れ込みが深くなっていると感じたら、AGAの初期症状である可能性があります。進行すると、前頭部全体の髪の毛が薄くなり、額が広くなったように見えることがあります。次に、「頭頂部(つむじ周辺)」もAGAの影響を受けやすい部位です。自分では直接見えにくいため、気づきにくい場所ですが、合わせ鏡で確認したり、家族や友人から指摘されたりして発覚することがあります。つむじを中心に円形に髪の毛が薄くなり、地肌が透けて見えるようになるのが特徴です。この頭頂部の薄毛は、いわゆる「O字型」や「U字型」と呼ばれるパターンで進行します。これらの前頭部と頭頂部は、男性ホルモンレセプターが多く分布しており、DHTの影響を受けやすいため、AGAによる薄毛が進行しやすいと考えられています。一方で、側頭部や後頭部の毛髪は、比較的DHTの影響を受けにくく、薄毛になりにくい傾向があります。このため、自毛植毛手術では、この後頭部などの毛髪を採取して、薄毛の気になる前頭部や頭頂部に移植するという方法が取られます。AGAによる抜け毛が、これらの特定部位から始まっていないか、注意深く観察することが、早期発見・早期対策に繋がります。
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AGAの抜け毛はどこから?進行しやすい部位とは
2020年10月6日