AGA(男性型脱毛症)は、主に遺伝や男性ホルモンの影響によって引き起こされる進行性の脱毛症ですが、その進行には頭皮環境の状態も深く関わっています。健康な髪は健康な頭皮から育まれるため、AGAの進行を抑え、治療効果を高めるためには、頭皮環境を良好に保つことが非常に重要です。AGAの主な原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)は、毛乳頭細胞に作用してヘアサイクルを乱すだけでなく、皮脂腺の働きを活発にする作用もあります。そのため、AGAの方は皮脂の分泌が過剰になりやすく、頭皮がベタつきやすい傾向があります。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせたり、酸化して炎症を引き起こしたり、あるいは頭皮の常在菌であるマラセチア菌の増殖を招き、脂漏性皮膚炎の原因となることがあります。これらの頭皮トラブルは、健康な髪の成長を妨げ、AGAの進行をさらに助長してしまう可能性があります。また、AGAの進行に伴うストレスや、血行不良なども頭皮環境に悪影響を与えます。ストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮への血流を低下させます。血行が悪くなると、髪の成長に必要な栄養や酸素が毛根まで十分に届かず、髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。逆に、適切な頭皮ケアを行い、頭皮を清潔に保ち、血行を促進し、適度な潤いを保つことは、AGAの進行を緩やかにしたり、治療薬の効果を高めたりする上で役立ちます。AGA治療においては、薬物療法だけでなく、日々の頭皮ケアがいかに重要であるかを理解しておくことが大切です。
— AGA —
AGAと頭皮環境の密接な関係
2022年9月17日